アドラー心理学を不登校対応に活かす

アドラー心理学をご存知ですか?

アドラー心理学はオーストリアの精神科医アルフレッド・アドラーとその弟子たちにより体系化された教育や子育てに役立つ心理学です。

アドラーは世界で初めてヨーロッパ各地に「児童相談所」を開設し、子供の問題行動・症状の相談・解決にあたった人であり、その臨床を基にアドラー心理学を確立しました。

近年日本でも岸見一郎氏による「嫌われる勇気」の出版でいくらか名前が知られるようになってきましたが、欧米ではフロイト・ユングと並び称される心理学の巨匠です。

アドラー心理学は子供をめぐる教育や子育てに活かしてこそ本来の役目を果たすと言えます。

アドラー心理学を「不登校」の解決に活かさない手はないと言えるでしょう。

特に子どもへの働きかけとして「勇気づけ」という方法を使います。褒めるのでもなく叱るのではないアドラー心理学特有の方法です。

この方法を使うと子どもが自ら考え自ら行動を起こすようになることは、アドラー心理学の多くの臨床家が認めるところであり、アドラー東北でもお子さんの問題について大変好ましい効果を得ています。

「不登校にありがちな対応は解決にならない」

お子さんが不登校になった・・・その時あなたは・・

「何とかして学校へ行かせなければ」

「うちの子が不登校だなんてそんなことは絶対に認められない」

「学校へ行かないなんて許せない」

「学校へ行かないなんてこの子の人生は終わりだ」

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「なんとかして学校へ行かせなければ」という考えの底には何がありますか?

⇒「学校へ行くのは当たり前・当然・行くべき」

「うちの子が不登校だなんてそんなことは絶対に認められない」

⇒「子育てに失敗があってはならない・普通でなければならない・完璧でなければならない」

「学校へ行かないなんてこの子の人生は終わりだ」

⇒「学校が人生を決める・学校がすべてである」

これらの考えは本当にそうでしょうか?

今のあなたの人生は学校ですべてが決まっていますか?

確かに不登校という事態はリスクが大きいでしょう。今後の人生に多少の影響はあるでしょう。それでも決定的な要因とは言えないのではないのではありませんか?

もしもお子さんが不登校という選択をする前に「生きることが辛いと感じるほど学校へ行くのが嫌だ」と感じていたとしたら、お子さんの命と学校とどちらを選択するのが賢明なのでしょうか。あなたのお子さんが命をなくすことを考えたら「一時の不登校」とは引き換えになりません。時には「学校へ行かない」という選択肢も現実的にはあるはずです。

大事なのは本人の気持ちであり私たち大人はそれを尊重すべきです。

親としての責任や他者にどう思われるかと言う事よりも、まずはお子さんの気持ちを大事にして本人に確かめること。話をよく聞くところからスタートしましょう。そのためにはお子さんが話しやすくなる雰囲気づくりや、待ってあげることも大事です。

ついつい根掘り葉掘り聞いてしまったり、詰問調でなぜを連発したりすると、お子さんは「言っても理解してもらえそうもない」「わかろうとしてくれていない」と感じて殻に閉じこもってしまい、二度とあなたに心を開いてくれないかもしれません。本当の気持ちを話してくれなくなるかもしれません。

それはあなたが望んでいることではないはずです。

アドラー心理学の目的論・原因論と何が違う?

親子がアドラー心理学のベースである相互尊敬と相互信頼の関係になると、子供は自らの意志で不登校という自分の人生の問題に向き合い始めます。

それではどうしてこのようなことが起こるのか?

アドラー心理学で考えると「不登校」にはどういう側面があり、どのような対応が考えられるのか、について書いていきます。

まずアドラー心理学では「不登校」になった原因については参考程度にとどめます。なぜ不登校になったのか?ということはあまり問題にならないのです。

原因を探して対応する方法を原因論と言いますが、原因を突き止めたところで解決にはならないことが多いのでアドラー心理学では原因論の対極にある目的論からアプローチします。

過去は変えられませんし、起こった出来事をなくすることもできません。

またもし原因が特定できたとしても原因の特定と除去に取り組んでいる間に本人の不登校の期間はどんどん長くなります。

原因論的アプローチの対極をなすのがアドラー心理学の目的論的アプローチです。

なぜ?という原因を見るのではなく「どこへ向かって?」「何のために?」ということを探っていきます。

目的論で見るということは簡単に言えば「狙い」を見ると言う事です。また私はよく「メリット」という言葉を用いて説明します。

たとえば叱られることがわかっていてわざといたずらを繰り返すお子さんについて考えてみましょう。

原因論で考えると「どうしてこの子はいたずらをするのかしら?」と考えます。

目的論で考えると「この子がいたずらをすることにはどんな目的があるのかしら?」と考えるのです。

そのいたずらで何を求めているのか、狙いを考えます。

考えられることは「自分に注目してもらう事」でしょうか。これがアドラー心理学の目的論と言う考え方です。

目的論で不登校を考える

「不登校」で得ている狙い、メリットは何でしょう?

「親に大事にされていないと感じて親を自分に引きつけておくため」

「学校が安全ではないと感じて安全な家にいることで自分の身を守っている」

「嫌いな教師がいて困らせてやろうとしている」

「クラスの子と上手くやれないと感じて自分の居場所を見つけられない」

などの狙いがありそうです。

いずれにしても「不登校」と言う方法でこれらの目的を達成しようとするのはあまりいい方法とは言えません。

しかしそういう方法をとらなければならなかったお子さんの気持ちをどこまで親御さんが理解し寄り添えるかが最初のポイントになってきます。

親御さんがお子さんの気持ちを優先に考え始めた時、それは「共感」というお子さんの耳で聴き、お子さんの目で見て、お子さんのこころで感じることができた時です。

「親の気持ち」(学校に行かせたい)<「子どもの気持ち」(学校に行きたくない)になって初めて事態は動き始めます。

親との会話を拒むようであればその事態はかなり深刻と言えると思いますし、時間はかかるかもしれませんが改善の見込みは必ずありますのであきらめないことです。

親の会に参加した時点でかなり状況が悪くなっている方でも三か月もすれば子供との関係が少しずつ改善していきます。一人で悩まずに親の会に参加してご相談ください。その後SMILEの受講をお勧めします。SMILEの受講と親の会のフォローがあって初めて事態は改善へ向かうのです。

不登校は勇気をくじかれている

大人であれ子どもであれ、アドラー心理学では社会的に認められない、社会や学校に適応できないのは、適切な方法を知らない、学んでいない、勇気をくじかれてきた結果と考えます。

たとえばできていないこと、失敗したことを叱られて育ってきた(これはほとんどの人がそうだと思います。)自分にダメだしをされることは自分と言う人間の肯定感を低めることはあっても高めることはありまません。またどうすれば適切なのかを知ることはできません。

改善方法がわからないまま、また別の失敗を繰り返し叱られ続けるという悪循環に陥っています。これではどんな自分も好きと言う自己受容ができないまま成長していくことになります・

自己肯定感が下がると人は「自分はダメな人間だ」「何をやっても自分はうまくいかない」と思うようになります。

これが「勇気をくじかれた状態」と言えるでしょう。

不登校は勇気を最大限にくじかれた状態とアドラー東北では考え、真摯に親御さんとその対応に向き合っていきます。

不登校に限らず子どもの不適切な行動は勇気をくじかれている

アドラー心理学では、不登校に限らずお子さんの不適切な行動は「勇気をくじかれているから」と考えます。

アドラーの高弟であるルドルフ・ドライカースあh子供の不適切な行動を「やる気を引き出す教師の技量」という著書の中で四段階に分類し説明しています。

段階が進むごとにその勇気をくじかれている度合いが強いとしています。

専門家の間では、1~2の段階であれば当事者同士の間で解決ができるが、3~4段階になると第三者の真理専門家の助けを借りないと改善は難しいと考えられています。

ドライカースの示した四つの段階は下記のようなになります。

第一段階・注目を得る

どんな方法を使っても注目を集めようとする。適切な行動をしても自分を認めてもらえない、注目してもらえないと感じ不適切な行動で注目を集めようとします。

第二段階・主導権争い

攻撃的になり挑発等の主導権争いをしかけようとする。自分が相手よりも上であることで自分の存在を認めさせようとする行動に出るようになります。

第三段階・復讐

相手を従わせようとし、償ってもそれを許せないほどにその感情は強くなっていきます。

第四段階・無気力・無能力

孤立が唯一自分にとっての幸せであるように感じ他者との関わりを断つようになります。

すなわち「不登校ひきこもり」は勇気を一番くじかれた段階の行動と考えるのです。第三段階ぐらいまで来ると親と本人だけでは解決が難しくなってきます。周りの多くの支援が必要になります。

このようにアドラー心理学では勇気をくじかれた人の行動の段階を捉えていますが、これが逆に勇気づけられると改善に向かった第4から第3、第2へと上がっていくとみることができます。

つまり攻撃的だった子供(第2)が勇気づけられると第1の注目を得るという行動をするようになった時、それは改善しているという風にとらえることができるのです。

アドラー心理学は他者操作を良しとしません。すなわち他者を変えることはできないのです。それは子供についても同じです。不登校で学校へ行かなくなった子供を、たとえ親でも教師でも他者が無理に行かせることはできないのです。

ただどう関わるかについては「勇気づけ」をベースに相手との関係を改善していく手立てはあります。その結果として不登校が改善されるということが起きるかもしれないということです。

ベターを目指す不登校対応

不登校で苦しんでいるのは他ならない子ども本人です。気持ちが苦しい上に学校へ行かないという選択はさらに本人を苦しめています。このワーストの状態をベターにすることをまず目指していきましょう。

ベターとは「学校へ行っていないが苦しんでいない」という状態を言います。

「学校へ行っているが苦しんでいる」やベスト「学校へ行っているし苦しんでいない」をいきなり目指すのではなく、少なくとも不登校で苦しんでいる本人の気持ちが楽になるように周りが関わることがまず求められると思います。

アドラー心理学の目的論から推察すると、不登校であることで本人は何らかの目的を達成しています。

学校や外の世界を危険で自分にとっても安心できない場所、危険であると考えているかもしれません。また自分の存在価値を認めてもらえない場所、自分がいてもいなくても変わらない場所と感じているかもしれません。

もしも家族との接触すら拒んでいるような場合には、不登校について「どうせ責められる」とか「叱られる」などの対応を恐れている場合もあり、「無理に登校させられる」可能性が高いので自分の安全が脅かされたと感じ、接触を断つという方法を取っていることも考えられます。

自分が危険と感じているところへ無理やり行かせようとする親は敵になりかねません。

「登校を無理強いしないこと」は、まず心がけておきたいことの1つです。

「不登校で得られることもある」

お子さんの不登校をきっかけにあなたはきっといろいろなことを考えた事でしょう。アドラー心理学でいうと「不登校」はお子さんの課題です。

ですのであなたが本来解決する課題ではありません。でもこの事態をきっかけに親子の関係が変わることで学校に行っていたときよりもさらにより良い関係をお子さんと築ける可能性もあるのです。

お子さんが不登校になったときあなたはどちらの方向をむいていましたか?

お子さんの方を向いていましたか?それとも学校や世間の方をむいていましたか?

お子さんのことを心配という方法で向いていながら実際には世の中の方を気にしているから苦しいのではありませんか?

あなたはどちらの側につきたいですか?

もしもお子さんの側につきたい、お子さんの味方になりたいと思うのであれば世間に背を向けることも仕方がないのではありませんか?

「世間に背を向けても親が自分の味方になってくれた」

そして自分のことを本当に信じて信頼してくれた。そう思った時お子さんの状況は改善していきます。

そのためにはどんなことがあってもこの子を信じるというあなたの決意が必要です。

その決意さえあれば、その決意が伝わればお子さんは不登校から立ち直っていきます。

どんな自分でも心から信頼され受け入れてもらっていると感じることは、お子さんへの大いなる勇気づけとなり、不登校から自立へ向かって歩き出すことでしょう。

どんな自分でも心から信頼されていると感じることこそ勇気づけになり、拠り所になり、お子さんは不登校から自立へ向かって歩き出すのではないでしょうか。

大人にできること

以上のことを踏まえた上で親や教師、周りの大人にできることは、子供の心に寄り添い、子供の心を理解し見守り支援していくために、「不登校」という困難に子どもが自ら立ち向かっていけるようになるために、親御さんがお子さんに対して「勇気くじきをやめ勇気づけができるようになっていくこと」です。

①「不登校による親子の現在の状況」⇒「親子共に苦しんでいる」

②「アドラー心理学を学び始める」⇒「親が苦しまないという選択をし始める」

③「親が苦しまなくなる」⇒「罪悪感を感じなくていいということが理解でき、子供への勇気くじきをやめる」

④「子どもの罪悪感が減る」⇒「子どもが苦しまなくなる」

⑤「親も子も苦しまなくなる」⇒「親関係が改善され話し合いや相談ができるようになる」

⑥「子どもが自分の進路・これからについて考えるようになる」

こういったステップを経てはじめて支援が可能になるのです。

 受講者の声①・SMILE&親の会

「反抗的だったのに・・今は穏やかな関係に」山形市・Sさん

自己否定が強く、一度感情が高ぶると押さえられなくなり「死にたい」と訴えることがあった息子。私に対して反抗的で暴力的でしたが、プログラムを実施することで、少しずつ自主的になり、自分でやれることも増えてきました。一か月もたつとお互いに笑顔で冗談も言い合えるようになり、二か月後には冷静に話しができるようになり、穏やかな時間を共に過ごせるようになりました。三か月後には私に対してだけでなく他の家族にも自分お考えを伝えたり主張できるようになってきており、学校の先生からはものすごく変わってきていますねと言われるようになりました。

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