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発達障害・AD/HD

発達障害とは?

発達障害は性格やしつけが原因ではない

スーパーの店内を走り回ったり、人の話を静かにきけなかったり。近年そうした子供たちが増えています。
かつては「親のしつけ」が悪いと親が責められることがほとんどでした。しかし最近になって脳の機能に問題があることがわかってきました。

障害といっても目に見える身体的機能の障害ではないのでその行動の特徴からどのような発達障害であるかどうかを見分けることは難しいと言えます。

教育現場では様々な方法をとりながら試行錯誤を重ねて対応を模索しています。
発達障害の子供を支援する基本的な考え方は次のようになっています。

★本人のわがままや努力が不足しているのではない
★早期からの適切な教育が重要である
★先生の指導力不足の問題ではない
★家庭での育て方やしつけのせいではない
★周りだけでなく本人が一番困っている
★原因としてなんらかの中枢神経の機能不全が推定される

自閉症

自閉症は心を閉ざしているわけではありません。原因はまだ不明ですが、脳の機能障害であろうと考えられています、

良く現れる特徴は下記の通りです。

★自己刺激的行動をする
手をヒラヒラさせて走り回る
自分でぐるぐるまわる
爪先立ち歩きをする
反復的な行動が好き
上半身を前後にゆすったりする

★対人関係を築けない
人と視線を合わせない
周囲の人と共感的な関係を築くのが困難
友達の気持ちを理解できず友達と協調して遊ぶことができない
ごっこ遊びが苦手

★こだわりがある
物を置く位置、歩く道順、着替えの手順、日課やスケジュールなど、決まったやり方にこだわる。それが変わると不安や抵抗を示す
ミニカーやブロックなどを一列に並べたりするのが好き。回るものや模様、マークを好む。

★言葉の発達の遅れ
なかには一生話さない人もいる
話せるようになってもしり上がりの特有のイントネーションがあったりする
奇妙な話し方をする
反響言語(オウム返し)「おなまえは?」「オナマエハ?」
単調で助詞が入らない

「具体的な支援方法」

禁止ではなく具体的な行動を示す
「廊下を走ってはいけません」⇒「廊下は歩きます。」

伝えたい情報だけを話す
⇒「大事なことを2つ話します。」「一つは~。二つ目は~。」と具体的に話す。

突然いつもと違うと不安になる
⇒あらかじめスケジュールが変更されることを伝える、特別な行事があることを事前に伝える(避難訓練など)

終わりを告げる
⇒こだわりが強いので回数をあらかじめ伝えておく「3回やったらやめましょう。」など

視覚的に支援する
⇒耳よりも目から入ってくる情報が理解しやすいので絵や写真で手順を示す、学校での一日を絵で示す、持ち物に自分用のシールを貼って一目でわかるようにする

アスペルガー症候群

アスペルガー症候群は自閉症の特徴もありますが自閉症に比べて対人関係以外ではある程度の適応能力があります。

著しい言語の遅れもなく通常の学級に通っている子供たちがほとんどです。
一番の特徴はその場にそぐわない行動を取る、友人との関係がうまくいかなかったりすることです。

また友達の気持ちが理解できずうまくかみ合わなかったり、思ったことをつい口にして友達を傷つけてしまったりします。

良くみられる特徴は次のとおりです。

★他者との関係がうまく築けない・人の気持ちが理解できない
友達ができない、それを悲しいとも思わない
楽しみ、興味、達成感を人と分かち合おうと思わない
突然悪気もなく人を傷つける発言をする

★興味が限られている
自閉症の子供に似て数字や図形、水や砂、辞書などに興味を示し固執する

★著しい言語の遅れ・知的遅れがない
話したり理解するといった認知的な発達には遅れがない

★感覚過敏・不器用である
特定の音にとても敏感。体の動きがぎくしゃくして運動が苦手。手先が不器用。

「具体的な支援方法」

視覚的支援
⇒絵や写真、シールを使ってわかり易くやるべきことを伝える

人の表現を読み取りその気持ちを理解させる
⇒誰かが泣いているときまわりがその気持ちを「悔しいんだね」「悲しいんだね」と表現してあげる

過敏に反応するものに対して周りが把握し環境を整備する
⇒大きな音が苦手なら耳栓を使用するなど

「ダメなことはダメ」と簡潔に伝える
⇒この時相手と目を合わせる

人とうまく付き合うための言葉や挨拶を教える
⇒人に頼むときは「~してください」、よくわからないときは「もう一度言ってください」、嫌なことをされたら「やめてください」、何かしてもらったら「ありがとう」、仲間に入りたいときは「入れて」など

AD/HD(注意欠陥・多動性障害)とは?

以前から低学年のクラスでは授業中にじっと座っていることができず、椅子をガタガタさせたり、何度注意をされても友達と騒いでいる子どもがいたはずです。

1980年以降、学習や遊びの活動において注意を継続させて作業を行うことができない、手足をそわそわと動かし、静かに座席に座っていることができない、友達と遊んでいても順番を待てずに邪魔をしてしまう・・といった子供をAD/HD(注意欠陥・多動性障害)とよんでいます。

日本の厚生労働省の調査では、子どもの7.8%にその疑いがある傾向が見られたという報告があります。

脳の神経生理学上ドーパミンやセロトニンなどの脳内神経伝達物質の分泌に問題があるために起きるのではないか?と考えられています。

たとえばAD/HD(注意欠陥・多動性障害)の子供の脳波はその年齢の子供と比較して未熟で不規則な波形をしていることが明らかになっています。

また女子より男子に多くその比率は学業を対象とした疫学的研究では1対4であるという数字もあります。

こうした子供たちは授業に集中できないことが多いので学業成績が振るわなかったり親や先生から叱られることも多くなります。
人間関係がうまく築けないためいじめの対象になりやすいのも特徴です。

良くみられる特徴は次のとおりです。

不注意
注意をして集中したり、興味を持った一つの事を続けることが難しい。忘れ物が多くミスが多い。

多動性
授業中立ち歩くタイプと、手足をもじもじさせ、きょろきょろしたり、椅子からずり落ちてしまったりするタイプがある。

衝動性
順番が待てない。じっと我慢したりができない。いつも一番でないと気が済まない・・など。社会的ルールを守れない。

「具体的な支援方法」

衝動性(パニック)に対する態度
⇒興奮し始めたら「静かにしようね。」と冷静に声をかけて様子を見る
声掛けで収まらない場合には別室に連れ出して落ち着くまで待つ、そのときは大人が付き添い気持ちをよく聴いてあげる。

多動性の子どもに対する態度
⇒椅子をガタガタ動かす子どもに対しては「ちゃんと座っていてえらいぞ」と声をかける、集会などでじっとしていられない場合、スケジュールをわかり易く示し安心感を持たせる

集中する時間を設定する
⇒忘れ物を防ぐためチェック表を作りそれにチェックして確認する、園や学校でのやることの手順がわかるよう掃除手順表を作る。幼稚園にきたらやることを絵に描いて提示する。

注目させるきっかけを作る
⇒座席を先生が声を掛けやすい最前列にする、色チョークやマグネット、差し棒などを使って注目させる、「さあ、大事なことを言いますからね。」と注目喚起する。

学習障害(LD)

全般的な知的発達に遅れはありませんが、読む、書く、聴く、話す、計算する、推論するといった能力のうち特定の能力の習得と活用に著しい困難を示す状態のことを学習障害といいます。

幼児期は学習の機会がありませんので親御さんも気が付かない場合が多いのですが、小学校に入って本格的な勉強が始まると学習の躓きが顕著になってきます。
この概念はアメリカ人のカークとべイトマンによって提唱されました。日本では学業不振とか落ちこぼれという言葉で定着してきましたが、原因は先天的な発達障害であり中枢神経系の機能障害であると推定されています。

LDの四つの基本類型があります。

①言語性LD
主として視覚的認知が弱く言語性能力に欠陥を持つ。注意・記憶性の欠陥を重複し知的発達レベルが低くなると重複化して精神遅滞と診断されやすい。

②非言語性LD
視覚・空間能力に欠陥を持つタイプ。LDとしてきわめて目立つ。資格からの情報がうまく運動能力に伝わらないために日常生活場面で思いがけない失敗をしやすい。

③記憶・注意性LD
短気記憶能力に障害を持つタイプ

④包括的LD
特定の領域ではなく全体的に弱い

「LDに良くみられる特徴」

聴覚機能は正常なのに聴いて理解すること(聴覚認知)が苦手
一生懸命聴いているのに内容が理解できない、言葉の指示が伝わらない、聞き違いをして皆と違う行動を取る、いくつかの用事を頼んでもそれをこなせない、何度も同じことを聞き返す

視覚障害ではないのに見て理解することが苦手
教科書の文字が追えない、文字や行を飛ばし読みする、漢字を書くと線が足りなかったり多かったりする、文の意味が取らえられない、「ぬ」と「め」など形が似ている字を間違える

空間認知が困難である
鏡文字を書く、ひっ算の桁がずれる、図形の学習が苦手、迷子になりやすい、地図の見方がわからない、前後左右が即座にわからない、ロッカーの位置が覚えられない

「具体的な支援方法」

九九が覚えられない
⇒耳で理解するのが得意な子には声に出して覚えさせる、視覚的に得意な子には段ごとに色を変えた九九表を作り視覚的に覚えさせる

計算が苦手な時
⇒計算の手順を言葉で表現しながら手順に従って計算させる、式を書く

作文を書くのが苦手な時
⇒5W1Hがわかるカードを見ながら確認しながら短文を書いて文章を作っていく

読むのが苦手な時
⇒行を飛ばす子には読みやすくする工夫が必要、マーカーで色を付ける、窓を開けたシートをスライドさせながら読む

漢字を書くのが苦手な時
⇒図形の模写を家庭でたくさん練習してみる、補助線を入れた枠の中に書く練習をしていく

アドラー心理学を発達障害の子供に活かす

「勇気づけ」

アドラー心理学は「勇気づけの心理学」と言われ、定義は「困難を克服する活力を与える心理学」ということになります。

この「勇気づけ」は、アドラー心理学の目指す「共同体感覚」と車輪の両輪をなし、重要な概念のひとつです。

また勇気づけは、言葉よりも態度と言われます。相手を信頼し尊敬する態度で相手の気持ちに寄り添い、結果ではなく、そこに至るまでの過程や、相手の持っているリソースに注目します。

発達障害の子どもについて言えば、何かとできていないこと、失敗したことに注目されてしまうことが多いです。そのため叱られることが増えてしまいます。

できていないことだけでなく、日ごろから目立たなくてもその子ができていること、やっていること、頑張っていることなどを、逃さず見ること、そして必要があれば、それを子ども自身に伝えていくことが大事です。

そうしていく中で、子どもが頑張っていることの方がずっと多いことに気が付くでしょう。

椅子に座って居られない時間に注目するのではなく、座っている時間に注目していくのです。
いつもよりも長く座って居られたらそれを子どもに伝えるのです。

「今日はいつもより長く座って居られたね。」で十分なのです。

大人のどのような働きかけがその子どもにとって「勇気づけ」になるかは、それぞれの子どもの状態によるので一概には言えませんし、やってみないとわからないことです。
ある子供には「勇気づけ」になることが、ほかの子供に当てはまるとは限らないのです。

声をかけて欲しい子供もいれば、そっと静かに話してほしい子供もいます。またそばにいるだけでいい子もいるのです。
それぞれの子供に対してどう勇気づけるかは、子どもの個性そのものを尊敬できるかどうかということになると思います。

「目的論」

アドラー心理学は「なぜ?どうして?」という視点の「原因論」ではなく「なんのため?」という「目的論」の立場をとります。

原因論で人の行動を見ると「どうして~したの?」「なんで~~したの?」と問いかけることになり、相手を責めたり犯人・原因探しの視点になってしまい、子どもにとっては「叱られた」と感じてしまいます。

たとえば試合に負けて暴れている子供がいたとしましょう。
原因論で考えると「負けたから」または「その子供の気が短いからだ」ということになります。
そうすると「試合に勝つ」か「その子の性格がなおる」のでなければ解決しないのです。
これは現実的ではありません。

「目的論」で考えると「悔しさをわかってほしい」や「気持ちを落ち着かせたかった」ということになり、ただその行動「暴れる」がよくないということになります

子どもが落ち着いたら「悔しかったの?」「分ってほしかったの?」といった本人の気持ちを確認しながら寄り添い、そういう場合には暴れないで他の方法がないかどうか一緒に考えるのです。

すなわち「クールダウン」の方法を大人と一緒に考えるのです。

勇気づけ」と「目的論」の視点を組み合わせていくと、困りごとは少しずつですが減っていきます

勇気づけ」の視点で子どもにたして信頼と尊敬の態度で接し、「目的論」の視点で子供の行動を見ていくと突飛だと考えていた行動も目的があることがわかりますし、行動の目的がわかればある程度の予測がつくようにもなり振り回されることが減っていきます

そしてどういう行動をとればいいのかを一緒に考えることができるようになります。
子どもは自分が困っていることに対して、理解を示してくれたり、一緒に考えたりしてくれる大人を望んでおり、信頼するのだということです。

アドラー心理学的アプローチは、発達障害に関わる大人にとっても、その子ども自身にとっても有益なアプローチであることは確かなようです

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