東北・仙台・盛岡・郡山・アドラー心理学講座 勇気づけ 不登校 子育て 自分を好きになる講座

臨床に活かす

臨床に活かす

「アドラーの理論を支援にどう活かせばいいのか」

子育て支援、力動的心理療法、人間性心理学、認知療法、家族療法、グリーフセラピーなど、のちに発展する全く異なる流派のプロトタイプがアドラーにはあります。

因果関係は定かではありませんが、アドラーの理論の一部が発展したのが後年の各流派です。仮に因果関係がないとしても、アドラーの認識ポイントには後年の各種流派のエッセンスがすでに入っていたと言えるでしょう。
新しい流派を学ぶと「まるでこれはアドラーではないか?」と思うことがよくあります。

現代に生きる私たちは他のカウンセリングを多く学ぶ機会があります。それにもかかわらずアドラーを学ぶ意義は「各流派の統合」としての価値があり、ほかにはない有益なものが残っていることと言えるでしょう。

アドラーの理論は、目的論、対人関係論、認知論、全体論、主体論というそれぞれの方法論の統合となっています。

人は対人関係の中で自分が認知し創造したライフスタイルを使いながら、自分の立てた目標に向かっている統一的存在だというわけです。

ランディンは、アドラーの見解をまとめて他の人が良くなることを願う共同体感覚、人生目標に向かうライフスタイル、優越になろうとする動機付け、全体論的に人格を理解することを挙げています。

スウィーニーはアドラーの中心概念を七つにまとめました。

実践について言えば、アドラーは治療のみならず子供へのカウンセリングから、親へのコンサルテーション、そして教師へのコンサルテーション、子どもを取り巻く人々への環境的なアプローチを広げていきました。
幼稚園や学校の教育そのものにも働きかけ、クラス会議、グループ学習、教員と親の会合などを設定しました。

アドラーは、教員支援、子育て支援、家族支援などの支援形態をつくり、自助グループや心理教育などのグループアプローチを行いました。

カウンセリングのデモンストレーションは、アドラー心理学では「オープンカウンセリング」と呼ばれ今での研修でよく見かけるものとなっています。

アドラー心理学の良いところは、どこでも誰にでも(広い応用範囲)、変わらず(一貫性)、シンプル(明確)に適応できるところです。アドラー心理学の態度はwarm&firmであり、人に暖かくもきっぱりしています。

以下アドラー心理学の理論について臨床の見地から述べていきます。

「目的論」

目的論はアドラー心理学の根本的な思想のひとつです。アドラーは人間を目的論という視点で理解しようとしました。

今までの主流である因果論・原因論・機械論に対しては、限界を感じるという声を聴くことがあります。
アドラーは目的論を用いました。

目的論は未来について「何のために?」という目的因の問いです。
そこから「私は何のためなのか」「何に向かっているのか」「何になろうとしているのか」「人生の目標は何か」などの問いが派生します。

目的論はアリストテレスを起源とし西洋では主流の思想でしたが、近代になり原因論・機械論などが現れ衰退しました。
それゆえに現代のわれわれにはあまりなじみがありません。

アドラーは自分の思想を目的論で一貫させ、それを臨床や教育や社会制度に具現化させました。

目的論ではすべてのものには目的があると考えます。物の目的は明らかです。人間の目的はもっと多様になり得ます。それは人間の生物としての自由度が高いからです。

目的論では人が目的に沿って行動していると考えます。だとするなら不適切な結果が生じるのは目的が不適切であるか、手段が不適切であるかとなります。

従って不適切な行動を是正するにはその目的もしくは手段を変えることが必要となります。その時の指針としてアドラー心理学は共同体感覚という概念を用います。

目的を知るためには「どのような目的に導かれてそうしているのだろうか?」「何のためにそうしているのだろうか?」などの問いが必要です。
目的論は目的が原因だと考えます。

目的論の原因は未来にあるとは言えません。未来を仮想しているのが目的です。アドラー心理学ではこれを「虚構的目標」と呼んで人間は何かしらの究極目標に向かっていると言います。
それを「人生目標」とも言います。目的論は将来を仮想しているので未来志向なのです。

「アドラーが人間のすべての行動の動機は行動の目的の中にあるのだと発見した時、あらゆる謎が解けました。・・異常な行動でさえ目的があるというアドラーの見解によって、自分の意思に反して行動していると感じている時でさえ、なお自分の行動には目標がある」と考えられるようになったのです。

アドラーは未来への力動として目的論を想定しました。「病的な症状も含めてすべての行動には目的がある」というのがアドラーの発見です。

解決志向ブリーフセラピーでは原因ではなく解決を考えようと言います。原因の文脈にこだわらない点ではアドラー心理学も同様です。
今の自分は過去の自分に作られたという原因論でなく、今の自分は未来の自分のために生きているというのが目的論です。

目的論の強みは目的がわかればある程度未来を予測できることです。人生に楽しみを求めている人は大学に入っても勉強もしないで遊ぶでしょうし、人生に確固たる安全を求める人はしっかり勉強したり就職に備えたりして安全を脅かすリスクを減らそうとするでしょう。

また目的論は人生のキャリアをしっかり考えていく参考になります。人生をどうするかにまで視野に入れた理論と言えます。

進路選択や転職などのキャリアガイダンスでは、「どうしたいのか」「どうなりたいのか」「何を求めているのか」などの目的論的な質問が多用されているように未来を展望するには目的論が必要なのです。

目的論は今までと違った認識を臨床でもたらしてくれます。
不登校になった子どもの事例を考えてみます。

原因論で考えると「なぜ学校に行かないのか?」
目的論で考えると「なんのために学校に行かないのか?」

原因論で問いに答えようとすると、体調の変化だったり、人間関係がうまくいかない、相手に同調して疲れる、母親との関係、同級生との関係などの原因が上がってくるでしょう。

目的論の問いで考えると、人が怖いのでそれを避けるためとか、親から労わってほしいとか、疲れたので人と関わるのをやめたとか、体を労わるため休む生活を欲してとか考えられます。

原因論と目的論では見えてくるものが全然違ってくることがお分かりでしょう。
目的論はその人の認知や意図などのその人の意図に照準を合わせるので、より個人の気持ちに沿ったものになります。不登校の例で言えばまずはゆっくり休ませてあげて、機を見て徐々に負担のない適応を模索していく対処が考えられるでしょう。

目的論に添った質問の仕方はいろいろありますが、アドラーは、家族療法のパラツォーリやボスコロらが普及した「治療的質問」の手法を1920年代に用いています。
そのうちのひとつはアドラーの高弟ドライカースが普及させていた定型質問です。

「私が薬を差し上げたとして、この面接室を出るなり完全に良くなったと想像してみましょう。そうしたらあなたの人生で何が違っているでしょうか?前とは違ったことを何かするでしょうか?」

解決志向ブリーフセラピーではミラクルクエスチョンという質問があり「何が違っているのでしょうか?」と解決イメージを描き構築してもらうことを目指します。

アドラーでは症状によって阻まれている目的「やりたいこと、やりたいと想像していたこと」が何なのかを考えてもらいます。

「もし~だったらできるのになあ」というつぶやきをクライアントがしたときにこのクエスチョンは使えます。

powered by Quick Homepage Maker 4.91
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional